ゴーストレストラン開業のまとめ
飲食店を経営されている方々こんな事を考えた事ありませんでしょうか?
しかし、2021年時点でのゴーストレストランは、非常に厳しい状況にあり、片手間では売上が上がらないですし、掲載すら難しい状況です。
下手したら、マイナスイメージを与えてしまい、メインブランドに支障をきたす可能性もあります。
単独でオリジナルのゴーストレストランブランドを考えて展開する事は、困難であり出来なくなってきています。
その為、どこかのゴーストレストラン事業を展開しているブランドと協力してやっていく事が近道だと私は考えています。
本記事では、「オススメしたいブランド」と「開業方法」に関して、飲食ビジネスに10年以上携わる私が昨今の状況を踏まえて、纏めていきます。現状を理解されている方は、飛ばしてお読みください。
【オススメブランド4選】
①TGAL(テガル)、② 究極のブロッコリーと鶏胸肉 、③ クリスピーチキンアンドトマト 、④kitchenBASE
ゴーストレストラン開業の2021年度時点での状況
居酒屋などの店内飲食がメインとなる業態のお店(テイクアウト等では売上が取りづらいお店)がコロナ禍での時短営業の売上創出策として、大量にオリジナルのゴーストレストランブランドを出店していました。
この大量出店ブランドは急速に出店した為、商品の品質が悪く、ニュースで取り上げられる位ゴーストレストランに対するイメージがとても悪くなってしまっています。
悪質なゴーストレストランの特徴
- 複数店「専門店」を名乗り、店舗名でサイト上は見栄えを良くしているが、実際は専門店でもなんでもなく1ツの厨房だけで、複数ブランド展開していたりします。
- 店舗名の前に商品名を挿し込みがち。(例:ハンバーガーのお店 〇〇)
ブランド力が無いので、訪問数を増やす為に商品の説明したり、検索に引っ掛かりやすくしようとしたりしています。 - 値段が高く一商品あたり1,000円越えて来くる。複数ブランド展開している為、食材の使いまわしが出来ないのか商品単価が高くなりがち。
- 写真は綺麗で見栄えに惹かれて注文したら、実際に届いた商品は、写真と違う事が多い。
この様に釣りブランド、スパムブランドの様な物がサイトに増えて、インチキ臭いとか、売れないとか、マズイとかイメージが悪くなってしまいました。。
デリバリーサイトで注文する時に、「家の近くにこんなお店あったっけ?」と思って、住所を調べるとマンションの中にあったり、複数のブランドが同じ場所を示したりします。
ゴーストレストランが流行った事での悪影響
こうした状況からゴーストレストランというモデルがマイナスブランディングされてしまい、ユーザーやデリバリーサイトから嫌厭され出しています。
実際に、ゴーストレストランでの検索ボリュームで2語目に「まずい」が上位に出てきますし、ゴーストレストランの見分け方みたいな記事も複数あり、twitterでもゴーストレストランの実態を告発する様なツイートが目立ちます。
その為、デリバリーサイトには、以下の様な影響が表れてきています。
- ブランド力の無い個人店がゴーストレストランと怪しまれたりして、ブランド力のあるチェーン店に注文が偏る。
- イタズラに店舗数を増やすから、デリバリーサイトが見づらくなる。。
- デリバリーサイトによっては、実店舗の存在が確認出来ないと出店不可にする等ゴーストレストランの新規出店に制限をかけている所が出てきました。
アメリカでのゴーストレストランの状況
日本とは違いゴーストレストラン専門の企業が大型資金調達を成功させています。
- Uberの創業者のトラビス・カラニック氏がやっている全米41か所で展開している「CrowdKitchens」(ユーザーに料理を安く早く届けるためのロジスティクス、ビジネスを伸ばしていくために必要なマーケティングを提供)が2019年に420億円もの資金調達をしています。さらに、株式上場を狙っています。
- ロサンゼルスに拠点を置くスタートアップ企業「キッチンユナイテッド」が約58億円の資金調達をしています。
参考記事(https://pos-cube.com/inshoku-keiei/trend/ghost-kitchen-restaurant-grows/)
資金調達などのニュースを見る限り、日本とアメリカでは本気度が違う感じがします。
日本の居酒屋がコロナ対策でゴーストレストランを始めましたと言う所と、アメリカの上記企業の様な所では、お金のかけ方が違うので、市場調査や商品開発、食材調達の面で大差があります。
海外で流行っているからと日本に持ち込まれたと思いますが、今は悪い方に拡がってしまっている気がします。
海外では外食の救世主と捉えられていますので、ビジネスモデルは素晴らしいのだと思いますので、日本もこれから、ルール整備がされて、消費者のイメージが変わってくれば、拡大の余地は十分あると思っています。世界規模で見ると日経新聞の情報では2030年までの10年間で市場規模5230億ドル→1兆ドル迄成長する予想との事です。(参照元データ)
日本では、そんな状況下ですので、単独で切り開いていくことは困難でありますが、アメリカ企業位、本気で取り組んでいるブランドもありますので、そこと協力していくことが明るい未来を手に入れる一歩です。
それぞれを分類して紹介していきます。
①有名飲食ブランド型ゴーストレストラン開業のススメ
ゴーストレストランのパイオニア的な存在でビフォアーコロナの2015年からゴーストレストラン事業を開始している老舗ブランドで、有名飲食店との提携を多数実施しているTGAL(テガル)です。
MAXで30ブランド展開出来ますし、その分高い加盟金も支払わないといけないので、飲食店の傍らやるというよりも、このブランド専用で物件を確保して、バイク用意して配達効率を上げて、ゴーストレストラン専門でやる人向けです。
特徴
実際にある有名飲食店をデリバリーのモデルに落とし込んで、フランチャイズ展開しているビジネスとなります。
「太陽のトマト麺」、「キムカツ」、「格之進ハンバーグ」など30ブランドを持っていて、自分の状況に合わせて幾つでも選択可能です。
メリット
- 有名店のブランドを使っているので、ゴーストレストランとして分からない為、第一印象が悪くなりづらく、デリバリーサイト上の見た目で嫌厭されることが少ない。
- ブランド数が多いのでブルーオーシャンで戦いやすい。展開するエリアで不足しているブランドで始められる。
私の近所にグルメバーガーのお店が少ない(実際の店舗で2店舗、デリバリーで1店舗程度)ので、TGALさんの代表的なブランドの「バーガーズカフェグリル フクヨシ」をよく食べています。
バーガーズカフェグリルフクヨシ注文した様子
バーガーズカフェグリルフクヨシの感想
私が注文した時は、お届け予定時間より早めに届きました。
ポテトがついている事がGood!!バンズも柔らかくて、野菜もたっぷり入っていて良い。野菜がかなり良い味出していて、トマトのボリュームが良くて、旨味と甘みが凄い。パティもお肉の塊がゴロゴロ入っていて、良い!2駅位離れた場所にありますが、温かい状態で届きました。
↓モスバーガーのテイクアウト戦略、価格比に関しては以下を参照。
開業方法
こちらからお問合せの上、資料請求→事業説明会→エリア仮契約→物件契約(※同時並行でデリバリーサイトへも登録)→本契約。
ここからは私の憶測ですが、出店希望するエリアに出店できるかどうかは既存の店舗との兼ね合いになってくると思います。既に出店している店舗があれば、売上を食い合ってしまうので、出店は出来ないと思います。あと、自分のお店がある希望するエリアに出店が出来れば、物件契約等も必要なくなってくると思います。
まずは、問合せ相談してみてください。
開業資金目安
費用項目 | 費用目安 |
---|---|
物件取得 | 150万円 |
厨房機器 | 250万円 |
宅配バイク | 100万円 |
加盟金 他 | 200万円 |
※物件、厨房機器に関して:上手くエリアの希望が合致すれば、既にある資源を使って出店が可能になるので、物件や厨房機器、宅配バイクなどのコストを大幅に抑える事も出来ると思います。
※バイクに関して:配達を委託する形で出店している店舗もありますので、配達形態に関しては希望を出せそうです。
只、その場合は、デリバリーサイトへの手数料が30%上乗せされて利益が少なくなります。一方で、バイクの維持費(保険料、ガソリン代)や人件費を考えて、スロースタートから始める事もありだと思います。
むしろ、以下動画では、配達を委託してスロースタートから初めて徐々に売上を拡大させていく事が推奨されています。
調理の難しさ
料理人不要なオペレーション複雑な味付け料理や包丁技術など一切不要です。2次加工までされた商品をレシピ通りに調理を行えば誰でも均一化された商品が出来ます。マニュアルを見て作るだけでOK
https://tgal.jp/merchant/
セントラルキッチンなどで調理された物が店舗に届くので、有名店の味を再現性高く提供できるのだと言う。
②飲食店併用型ゴーストレストラン開業のススメ
「ブロッコリーと鶏肉」だけの健康志向ブランドになります。 究極のブロッコリーと鶏胸肉 (Ubereatsの店舗ページ) 店舗ページを見ると、これで売れるの?と疑問に思う部分があると思いますが、相当評価されています。
飲食店の隙間を埋めて、今あるお店の資源(人材、厨房機器)を活用して、売上、利益を上乗せする事がが出来る。新たに、物件を契約して、厨房機器を持って等リスクを負って始める事を考えていない人向けだと思います。
逆に、これで忙しくなって、人件費がかさむなどの状況になるようであれば、やらない方が良いかもしれないです。
特徴
既に確立されているブランドであり、ゴーストレストランと知られつつも、味の評価を受けていて、売上を作り易いブランドとなっています。
究極のブロッコリーと鶏胸肉を注文した時の様子
究極のブロッコリーと鶏胸肉の感想
実際に頼んでみて、私はブロッコリーがそこまで好きでなくて、いつもドレッシングとかで味を誤魔化して食べているのですが、これは、そのままで食べられました。茹でる時に、出汁を強めに効かせているのか、嚙んだ時に出てくるブロッコリーの嫌な味の汁が良い味わいに仕上がってます。
鶏肉も胸肉なんですが、パサつきが無く柔らかくて美味しいです。
開業方法
コチラからお問合せの上、話を進めてください。デリバリーサービス対応エリアであることなど、開業に当たり諸々条件がありますので、ご確認の上、お問合せ願います。
開業利益目安
費用項目 | 手数料率 |
---|---|
デリバリー手数料 | 約35% |
原価 | 30%-35% |
ロイヤリティー | 10% |
加盟金などの初期費用が掲載無かったので、知り得ない情報でしたが、運用コストは全て変動費となり、成果報酬型なので、リスク低く始められます。
※利益は15%-20%となっていて、今ある資源を使って、利益を上乗せする物だから、人件費等は考慮されないです。
調理の難しさ
90%をセントラルキッチンで加工している様で、誰でも出来る様になっている様ですね。
同様のビジネスモデルとして、クリスピーチキンアンドトマトという韓国チキンのお店もあります。こちらも合わせて、利用検討すると倍の効果が得られますね。
両ブランドも、TGALさんと同じで、既存でブランドが出店しているエリアには重複してしまう為、出店が出来ない様であります。先行者利益が得られるものとなりますね。
③完全オリジナルブランド型ゴーストレストラン開業のススメ
このビジネスモデルが一番、アメリカの「crowdkitchens」などに近いモデルです。キッチンの間借りビジネスとなっていて、ブランド運営元企業がコンサルに入ってくれたり、マーケティングをサポートしてくれたりします。その中でも代表的なkitchenBASEさんをご紹介させて頂きます。
特徴
①、②のゴーストレストランと違う事は、完全にオリジナルブランドで出店が出来る事。
ファーストキッチンもkitchenBASEを利用してゴーストレストランを出店しました。
このように既にブランドを確立されているお店の横展開に使ったり、お店の出店を考えている人が試しにやってみるという人向けです。
一つの拠点の中にキッチン20以上入っているので、運営企業元のサポート以外にも横の繋がりが出来て、成功事例などを共有しやすい様になっているそうです。
デリバリーの支援をしてくれるので、各デリバリーサイトへの掲載フォローもしてくれる為、オリジナルのゴーストレストランブランドでも、掲載し易い様にフォローしてくれるはず。
開業方法
開業工事費用
プラン名 | 機材購入、工事費 |
---|---|
フルセットプラン | 0円 |
ハーフプラン | 25万円-80万円 |
スケルトンプラン | 75万円-150万円 |
ここは、自分のこだわりがあって、使い易い様にしたいとか、高度な調理器具を使いたいなどあれば、発生する費用です。
担当者から話を聞いて、約100万という低コストで開始できることや、一つのキッチンで複数のブランドを展開できるというところに魅力を感じました。
https://kitchenbase.jp/magazine/3206/
インタビュー記事からの憶測ですが、工事費用とは別で加盟金などで100万円かかるのかと考えられます。
手数料などのラーニングコストも発生してくると思いますが、費用に関してホームページに記載されていないので、不明な部分が多いですので、直接お問合せしてみてください。。
調理工程について
完全オリジナルブランドとなるので、オペレーションは自分が考える事となる。
まとめ
現在のゴーストレストランの状況はあまり芳しくないかもしれませんが、ビジネスモデル的には海外でウケているし、今後のニュースタンダードになってくると思いますので、業界自体がもっと拡大していくことが予想されます。
様々な企業が出始めてきているので、自分の状況にあったものを選択して、売上、利益に役立ててください
- ブランドを貸してもらって、本気で取り組むパターン
- ブランドを貸してもらって、手軽に始められるパターン
- ブランドを自分で作っていくパターン。
コロナ禍で、外食に大きなダメージがありましたが、今後も少子高齢化や現状維持が進んでいく日本では、現状維持は衰退と同じです。新しい事に挑戦して、攻めていきましょう!
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